絢仁の硬派ブログ

絢仁の日記

減損リスクは当面くすぶり続けるとみる。

絢仁のブログ……13年の買収時に5ドルを超えていたスプリント株は今年に入って半分以下まで下げた。
スプリントが14年10~12月期に商標権など一部資産で21億ドルの減損処理をした際、ソフトバンク は連結決算に反映しなかった。
国際会計基準に基づけば、スプリント全体の企業価値はなお簿価を上回ると判断したためだ。
連結の減損は1株価に基づく回収可能額2予想キャッシュフローの割引現在価値から負債を引いた額の2つをはじき、両方で簿価を下回れば処理が必要になる。
14年末時点では問題なしとされたが、2つの条件のうち株価については、足元の3ドル台前半の水準では減損基準に抵触しているとみられる。
一方で明るい兆しも出ている。
スプリントは1月、16年3月期の調整後EBITDA予想を68億~71億ドルから77億~80億ドルに上げた。
固定費削減など合理化で17年3月期は95億~100億ドルを見込む。
減損判定のカギを握る収益状況は1年前より上を向いている。
スプリン トは15年10~12月期に6四半期連続で最終赤字となったが、携帯解約率が最低水準になるなど営業指標は改善をみせている。
通信品質の改善策などが効いてきたもよう。
野村証券の増野大作氏は再建は着実に前進しており、フリーキャッシュフローの黒字化を探る局面に入ると指摘する。
ただ懸念払拭には時間がかかるとの見方が多い。
米通信大手4社の10~12月期では携帯4位のスプリントのみが減収だった。
他社からの顧客奪取へ割安な料金プランを積極展開していることが一因だ。
SMBC日興証券の菊池悟氏は合理化後に競争力が付いてくるか予断を許さないとし、減損リスクは当面くすぶり続けるとみる。